|
魔導鎮守府の目的の一つに絡んで進行していたプロジェクトとして、艦娘の能力と魔導の力を融合させた
『魔導艦娘』の創造が研究されているが、現状完成しているのは『羊蹄』を長とするB65超甲型巡洋艦四姉妹と
彼女達の収集した各種データをフィードバックする事で完成した超大和型戦艦の『両儀』、そして世界に満ちる
魔力の源を結晶化して生み出す『魔晶』を艦載機の素材として使用し膨大な数の『魔晶機』を召喚、
航空戦を支配するべく創造された超信濃型魔晶空母『阿頼耶識』、そして阿頼耶識の魔晶機運用を支援する
『菫青』を長とする改夕雲型直卒防空駆逐艦六姉妹が日々魔導鎮守府における各種訓練や極秘作戦として
深海棲艦との暗闘を行っている。
なお、菫青は時々提督の所へ顔を出しているが表向きは雑務係として身分を偽っているため
疑問に持たれた事は皆無である。
以後、魔導鎮守府に集う艦娘たちの詳細を記載する。
羊蹄型魔導戦艦:
基本兵装:
艤装は腰から伸びるアームで左右に保持し、主砲と副兵装をバランス良く配置した即応型。
(阿賀野型の艤装に見た目は近い)
基本武装である31cm三連装砲は三基ある中で背中に装備した分は初春の主砲データを導入、
可変翼機構を取り入れる事で思考制御式飛行型機動砲として運用し、艤装後部には長10cm連装高角砲八基と
12cm30連装対空噴進砲四基が搭載され対空防御にも余念がない。
服装は白い軍服風のワンピースを纏った上で肩から同色のケープを羽織っている。また瑞鶴同様
装甲ブーツを履いているため蹴りがすごく痛いらしい。
また羊蹄姉妹はそれぞれに特化した能力を持つが、その能力については姉妹ごとに以下へ別記載とする。
一番艦:羊蹄
近接能力に特化した彼女は大型のスピアを追加武装として用いているが、刺突はもちろんの事
展開した魔力刃による斬撃も可能であり、特に半ば物質化した魔力を長大な刃の形に形成して
叩き付けるように振り下ろす一撃は、並の防御であればその上から斬り潰す程の威力と重さを兼ね備えた
切り札として機能している。
更に徒手空拳の格闘にも精通しているが、そこから流れるように砲撃を絡めてくるため
姉妹で一番のラッシュ力を持っている。しかも魔導艦娘が持つ魔力鎖アンカーまで巧みに利用するので、
一度捕まえればまず相手を逃がさないとは本人の弁。
二番艦:開聞
砲撃能力に特化した彼女は基本艤装の魔導砲化と魔導による特殊効果を内包した弾丸・・・
いわゆる『魔弾』を用いた対物ライフルの扱いに特化している。
基本艤装の魔砲化により、高速貫通弾『ファントムピアサー』や電撃拘束弾『サンダーバインダー』などの
特殊効果砲撃を使用し艦隊の突撃支援や回復効果を内包した魔弾『ヒールブリーズ』や
石化の魔弾『ゴルゴニックゲイザー』などの単体効果を狙った魔弾狙撃を織り交ぜた効力射支援を行っている。
ただし近付かれると脆いため羊蹄から格闘の手ほどきを受けてはいるものの身に付いた様子はなく、
苦し紛れのヤクザキックやライフルのストックによる殴打などごく初歩的な物を使うにとどまっている。
三番艦:朝熊
上の姉二人が攻撃に特化しているため、三女の朝熊は防御を担当。両腕に取り付けたバックラーによる
軽快なパーリングや攻防一体のシールドバッシュ、バックラーに取り付ける形で装備する
大型の可変式思考制御機動防盾は防御魔法の遠隔展開にも対応しており、全体防御の底上げや
ピンポイントの防御による突破阻止などを自らの役目としている。
またある程度の近接能力も持っており基本艤装である31cm三連装砲の砲身の一部を
取り外し式の仕込み魔力剣に改造しており、間合いに入れば高速の居合切りまで飛んでくる
カウンタースタイルのファイターとしての一面もある。
四番艦:那須
那須の特化技能は機動力。そのため艤装の後部に外付け式の魔力ロケットブースターを装着するための
アタッチメントが追加されているため全体のシルエットが若干違って見えるという特徴がある。
このブースターを点火する事により最大120ノット近い超高速を叩き出し、その速さに物を言わせた
拠点強襲や強行威力偵察、更には強行突破連絡など機動力に特化した作戦を主に担当している。
機動力特化の観点からあまり砲撃は得意ではなく、SMGによる牽制射撃を好んで使用するため
砲撃戦に参加すると驚かれるという良く分からない特徴がある。
超大和型超魔導戦艦(両儀に加えて四象も稼働を果たしたため記述を分離)
基本兵装:
艦娘としての服装は軍服風ワンピースだが、腰回りが燕尾服の様に後部へ長く張り出しているのが特徴。
さらにサイド部分へ増加装甲を配して副砲の接続用ハードポイントを搭載している。
足回りの装甲ブーツは爪先がスクウェアカットになっているため、蹴られた時の痛さは羊蹄姉妹のそれよりも
桁違いに痛いらしい。
背中に接続した艤装基部からT字に張り出した巨大ステーの上両端部に主砲である51cm連装砲を接続、
ステー中央部には三基目の主砲が装備されているが羊蹄姉妹のように飛行機能は持っておらず、
背後への砲撃あるいは側面へ指向しての回避を兼ねたカウンター砲撃に用いている。
なおステー中間部にも接続部があり、そこから吊り下げるように伸びるアームへは
オリハルコン製大型シールドが装備されており、アームから取り外しての使用は勿論アームに接続したままでの防御や
シールドの縁から魔力式防御フィールドを出力する事で艦隊防御を行ったりフィールドを集中する事で魔力ラムを形成、
全速力で突撃しての格闘戦も行う事が可能。
また機銃などの対空兵装は腰回りの装甲裏からカード状態で射出後実体化、滞空させて弾幕を形成する
方式を採用する事でスペースの活用に充てている。 羊蹄姉妹の能力をほぼ完全にフィードバックしているため
全ての能力が極めて高く、接近戦から砲撃戦、機動力を活かした強襲までこなす完全無欠の万能戦力として
大成しているが、肝心の『素体』の創造に通常素体の数倍という時間を要するため
当初は両儀のみが稼働状態となっていたが、先ごろ二番艦である『四象』が稼働。両儀との間で
装備の差別化が行われるなど細かな改装を経て正式配属となった。
一番艦:両儀
両儀は大極に於ける『陰中の陽』を表しており、服装も黒地に白い縁取りの軍服ワンピースを着用し、
真っ白な髪の色が陰中陽の白点を表しているらしい。 また戦闘も特化スキルでは主に近接戦闘を好む
羊蹄のデータにその比重が置かれており、主にオリハルコンとミスリルの合金で打ち上げた抜刀剣と
魔力刃で形成されるダブルブレードを好んで使用し、シールドの裏にそれぞれ一基ずつ収納している。
二番艦:四象
四象は両儀とは逆に『陽中の陰』を体現しており、外見も『陽中陰』の黒点を示す濡れ鴉の黒髪に白地に
黒い縁取りの軍服ワンピースを着用。性格もおっとり型の両儀とは違いややはすっぱだが優しさという点では
両儀と同様に優しい。
また開聞のデータに比重を置いて創造された事から射撃戦を好み、スイングアウトカートリッジ式の
リボルバーバズーカと魔力弾と実体弾のハイブリッドマシンガンをツーハンドで扱うため、シールド裏へ
マシンガン本体と実弾用マガジン6本をそれぞれ収め、腰のステーにはリボルバーバズーカを
セットするロッキングフックを増設している。
超信濃型魔晶空母(阿頼耶識の兵装として記述)
基本兵装:
艦娘としての衣服は上下純白の巫女装束に貫頭衣を合わせた厳かな物。これは生成する魔晶に
余計な属性を与えないための配慮であり、同時に被弾時の剥離装甲としての機能も併せ持っている。
そしてこの衣服の上から信濃型の艦橋を模した複合探査装置を右側に据え、飛行甲板を模した盾を
左肩に浮遊させるように装備しているが、この飛行甲板自体も射撃魔法のプラットフォームとして機能しており、
対空戦闘時に展開、魔法陣を描く事で対空射撃魔法による自己防御が可能となっている。
空間に生成した魔晶に属性を付与する事で紅く輝く艦爆型の『紅晶機』、蒼く輝く艦攻型の『蒼晶機』、
翠に輝く艦戦型の『翆晶機』、そして橙に輝く偵察機型の『黄晶機』として運用可能。また最大同時発艦機数は
あらゆる空母艦娘のそれを異次元レベルで圧倒する3200機を誇るが、阿頼耶識単独では
この数を捌き切る領域が確保できないという弱点が存在しており、この改善策は今以て
目処が付かない状態が続いている。
ただし直卒防空駆逐艦に一定数の直接指揮権を預ける事で領域を疑似的に拡大、この弱点の克服に成功しており
今後阿頼耶識型空母の後続艦が創造される時はこの方式を基本とする事がほぼ確定している。
発艦時はまず自身の周囲に魔晶を生成、その魔晶に属性を付与すると同時に周囲へ六本の帯状魔導紋を展開、
砕けた魔晶がこの魔導紋を滑る事で魔晶機へと変化して発艦し上空に集結。直卒防空駆逐艦への
指揮割り当ての後進出という形式を採るが、通常は3200機を出し切る事もないためほぼ一人での運用が主。
近接戦闘に関しては扇子を一柄持ち歩いているのみだが、この扇子から魔力刃を展開したり
その刃を射出する事もできる為、懐に飛び込んだからと言って油断はできないどころか逆に危険という常識を
逆手に取る事もやってのける。
改夕雲型直卒防空駆逐艦(姉妹で規格を統一しているため装備の違いがない)
基本兵装:
純白のセーラー服に同色のケープを纏い、足回りは装甲ブーツでではなくロングの編み上げブーツに
スタビライザー様のパーツをサイドへあしらったファッション性を重視した物を履いている。
腰の基部に二本の煙突と対空機銃を備えたベース部分を接続し、そこから多関節アーム保持型の
連装高角魔導砲が展開、広い射角と魔導砲ゆえの高い連射力で防空攻撃を行う事が可能。
なお主兵装である単装魔導砲は銃の様に保持する事が可能であり、開聞からの技術フィードバックで
基本的な特殊効果弾は一通り砲撃可能。ただし口径が小さいため威力の程はそれなりに抑え目となっている。
また駆逐艦と言えば雷撃戦だが、彼女達は阿頼耶識の使役する蒼晶機の技術を利用して
作りだされた『魔晶雷』を三連装で腿に装備している。これは魔力を魔晶に集積、
高密度化して放つ砲撃魔法の一種として認識されており、水面下を高速で進行後
目標に直撃または直下到達で自動的に爆発、高密度の魔力による打撃と
爆発時に発生する衝撃波とバブルパルスで目標を破壊する一撃必殺にも等しい
威力を誇る自慢の一品となっている。ただし充填と高密度化に時間がかかるため
そう何度も撃てる物ではない上雷撃後の疲労が著しいため一度の出撃で
二回撃てるかどうかというのが実情らしい。
姉妹の名は宝石の名から授けられており、長女の菫青(きんせい)を筆頭に
二番艦の黒曜(こくよう)、三番艦の黄晶(こうしょう)、四番艦の橄欖(かんらん)、
五番艦の月長(げっちょう)に六番艦の日長(にっちょう)の六名で直卒防空隊を編成、
阿頼耶識に同行して魔晶機の運用補助や防空戦闘、或いは対潜掃討などの
バックアップ部隊として日夜動き回っている。
魔晶航空巡洋艦(鈴音のみであるため彼女の装備として記述)
基本兵装:
提督と阿頼耶識の間に授かった、『人と艦娘を繋ぐ者』とも言える艦娘であり、利根型のスペックをベースに
鈴音自らが描き出したオリジナルの艤装を纏っている。
漆黒のセーラー服に白いリボンタイを通し、同じく黒いブーツをはいているが、インナーは純白のサラシを
胸元と両腕、腰から左足首にかけて巻いたいわゆる『坊ノ岬ファッション』をしている。ただしこのサラシには
特殊な繊維が用いられており、緊急時に於いて自動発動で防御魔法を出力するという特殊な能力を持っている。
艤装は背中のパーツを介して接続された基部から伸びるケーブルを通す形で右腕に20.3㎝二号連装砲を三基、
基部左側から伸びるアームの先端に接続された四基目の20.3㎝二号連装砲を主兵装とし、両腿に
バンドで固定する形で四連装の『魔晶雷』を装備。ちなみに菫青達の物と比べて一基毎の装填数増加と共に
魔晶の純度も格段に向上しているため、撃ち出される魔晶雷の威力も大幅な向上を遂げている。
なお右腕の主砲群は肩アーマーを兼用している取り付け基部とアームで繋がっており、砲撃戦に参加しない時は
アームで肩まで引き上げ、接続部を回転させて砲身を上方へ向ける形で収納している。
また阿頼耶識を母に持つため魔晶錬成能力も高く、しおいから借り受けた晴嵐の構造を理解して読み込み、
独自に魔晶による再現を行い水上爆撃機『蒼雷』として最大20機を運用可能としている。
そして左腕には最上型の飛行甲板を元にシールドとしての機能を複合させた大型飛行甲板を装備しており、
蒼雷の発艦は言うに及ばず防御兵装としての運用に加え近接格闘時の打撃シールドとしても運用されているが、
シールドとしての使用時には表面を魔晶でコーティングする事により甲板の破損を防いでいる。
また、魔晶錬成の技法を応用する事で五本一組のソードセットを生み出し、ロングソード、アームカッター、
ツインブレードと三種類の運用を行うが、それらを合体させる事で『魔晶大剣アルカナキャリバー』へと変化、
一体化する事で相互ブーストを行い、切れ味と構造の強化や魔力集束及び放出効率の高効率化を行う事で
集束砲撃や超巨大な魔力刃を形成・定着させて周囲を薙ぎ払い、止めの大上段叩き落としを見舞う
『ファイナルジャッジメント』を繰り出すなど剣士としての能力も非常に高い物を持ち合わせている。
|